反戦おばば、ニューオーリンズ風の葬送行進
文と写真:細田雅大 雑誌掲載時:2007年10月
棺桶を国連まで
朝8時15分、ロックフェラーセンター前に集合し、準備するおばばたち
黒いバルーンの文字は「TROOPS HOME NOW」(軍隊を今すぐ戻せ)
8時40分、いよいよ行進開始
棺桶を運びつつ、ゆっくり行進
トントン・トントントンという太鼓のリズムに乗って「End War Now!」と声を上げるおばばも
着実に行進していたおばばたちの前に警官が立ちふさがった。「許可証ならあるわよ。何がいけないのかしら? デモってるだけよ」
警官とは無事に話がつき、9時30分、約5ブロックを歩き切ったおばばたちは国連前広場へ到着。マンハッタン各地から出発し、同様に葬送行進を行ったほかの反戦グループと合流した
国連前のステージでは、コロンビア大学の学生が、前日、同大でスピーチしたイランのアフマディネジャド大統領について演説。「イランにはホモセクシャルはいないと大統領は言った。彼がイランの人々の心を代弁していないのと同様に、ブッシュもまた、アメリカ人の心を代弁していない。アメリカよ、イランを攻撃するな」
9月25日、国連総会で一般演説を行うためニューヨーク入りしたブッシュ大統領を、あの反戦おばばたちが迎え撃った!
2005年秋、「人生これからの孫たちではなく、十分に人生を満喫した我々おばばをイラクへ派遣せよ」と訴え、軍隊に入ろうとして逮捕された彼女たち。
今年7月の独立記念日にはあのオノ・ヨーコさんとも合体したおばばたちは今回、黒装束に身を包み、米国旗でくるまれた棺桶(段ボール製)を国連前まで運んで歩いた。ニューオーリンズ・スタイルの葬送行進である。
イラクで死亡した兵士・市民を追悼し、大統領を批判するためのパフォーマンスだ。