反戦おばば、オノ・ヨーコと合体

文と写真:細田雅大   雑誌掲載時:2007年 7月

セントラル・パークで朗読される独立宣言

Imagine Peace Poster by Yoko Ono

「想像してみましょう 平和を」

Huge sign after 911 by Yoko Ono

中枢同時テロの直後、タイムズ・スクエアに現れたオノ・ヨーコの巨大広告「Give Peace A Chance」

Jenny Heinz reading Declaration of Independence

独立宣言を読み上げる反戦おばば、ジェニー・ハインツさん

Strawberry Fields in Central Park

セントラル・パークのストロベリー・フィールズ

Mary Ryunion and Nydia Leaf at Strawberry Fields in Central Park

神妙な面持ちの反戦おばば、メアリー・リュニオンさんとニディア・リーフさん

Joan Wile reading Yoko Ono's messsage

ジョーン・ワイルさんが朗読している動画はここをクリックしてご覧ください

 あなたは覚えているだろうか。「孫の代わりにイラクで戦わせてくれ」と訴え、ついには逮捕されてしまった勇敢なおばあちゃんたちを。
 一昨年の秋、タイムズ・スクエアの新兵募集センターに出かけた「Granny Peace Brigade(おばば平和旅団)」の面々。「私らをイラクへ派遣せよ。私らはもう十分に生きた。孫たちにも幸せな人生を味わわせてやりたい」と主張した彼女たちは、「歩行者の通行の邪魔をした」として警察によって逮捕。昨年行われたその裁判で、彼女たちが無罪を勝ち取った模様は本誌06年5月2週号でお伝えした。
 その後もワシントンDCやヨーロッパにまで出かけて反戦を訴えてきたおばあちゃんたち。独立記念日の7月4日は、セントラル・パークのストロベリー・フィールズに集まり、独立宣言の文章を朗読。イラクで戦死したニューヨーク出身の兵士たちの名前も読み上げた。


オノ・ヨーコからのメッセージ

 そんな彼女たちに平和のメッセージを託したのが、近くのダコタ・アパートに住むオノ・ヨーコさん。言わずと知れた元ビートルズ、故ジョン・レノンの未亡人にして、実はかなり前衛的なアーティストだ。「あいにく旅行中」とのことで当日は参加できなかったオノさんだが、「Granny Peace Brigade」のリーダー的存在、ジョーン・ワイルさんがオノさんのメッセージを朗読した。
 「世界中のたくさんの人々が平和を求めており、私たちの心は世界中の子供たちと共にあります。誰も孤児にはなりたくないのです。私たち一人一人が立ち上がる時です。私もまた、今日集まったおばあちゃんの一人です」という内容だった。
 オノさんからは、メッセージだけではなく、特製ポスターとバッジの配布もあった。オノさんの著書『Grapefruit』に刺激を受けてジョン・レノンが書いた名曲「Imagine」の歌詞がモチーフになっている。中枢同時テロの直後、タイムズ・スクエアの屋外広告スペースに現れた、白地に黒文字だけの巨大広告「Give Peace A Chance」を彷彿とさせる、シンプルかつ美しいデザインだ。





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