● 2018年の年賀ラップ 2 ●

湖岸を歩く featuring HE&SHE
Public Enemy's Give It Up version


Rapcover2018_2




天気の良い朝、湖岸を歩く、宍道湖畔を足取り軽く
帰郷以来の俺のたしなみ、本を開いた歩き読み
あちらに出現、見知らぬおじさん、こちらにトコトコやって来る
散歩中の観光客かな? 元気な声で言ってみる
「おはようございまーす」

すると、おじさん、少し笑って、目玉がくるくる大きく回る
「なーんとなーんと、おべました
歩きながら読んじょってかね? 
書いてあー字が揺れーでしょーがね?」
話す言葉がズーズー弁、つまりこのさん、地元のおじさん
標準語では通じんけん、だけん俺も出雲弁
「いーんやいーんや、揺れません
家で読むと眠たんなっていけません
歩き読みなら、はかどりますわ
全然眠たんなーませんけん」

俺の仕事は翻訳・通訳、家ではネットをフル活用
分からん情報、Google検索、仕事の面では品質向上
遊びの面では甘い誘惑、どうやらかなり読書に支障
本を開いて始める熟読、でもすぐYouTube、動画を視聴
睡魔とネットが邪魔する読了、歩き読みなら問題解消

天気の良い朝、湖岸を歩く、宍道湖畔を足取り軽く
今度はどうやら女性のグループ、ケラケラ笑って、やって来る
散歩中の観光客かな? 得意の英語で攻めてみる
「Hi. What a beautiful morning!」

すると、彼女らなんだか警戒、可愛い笑顔もしばし崩壊
だから俺は断然後悔、さっきの英語はさっそく撤回
「もしもしそこのおネエさんがた、観光中でありますか? 
異色に見えてもこの私、実直な島根の人間です
宍道湖散歩の皆さんに、進呈中です、この粗品」
取り出したるはDVD、『カフェで会った女』がタイトル、2005年の英国映画
独り者のしょぼくれ役人、ロンドンの茶店でネエちゃんに遭遇、その後の境遇、冷や汗拭う
そんな話の小さな作品、日本じゃなかなか出来ない鑑賞、セリフを訳して字幕を提供

クールなジーナが主役のネエちゃん、空気を読まないべっぴんさん
彼女はお馬鹿で空気が読めず? それとも読めてて空気を壊す?
主役のネエちゃんは素敵なジーナ、周囲はドギマギ「なぜ壊すかな?」
彼女はお馬鹿で空気が読めず? それとも読めてて空気を壊す?

天気の良い日は湖岸を歩く、宍道湖畔を足取り軽く
帰郷以来の俺のたしなみ、本を開いた歩き読み
海賊行為の密かな営み、自前の字幕の映画の企み
ジーナはお馬鹿で空気が読めず? それとも読めてて空気を壊す?
強くて優しい女性が示す、空気が読めてもそれでも壊す
「門に入らば笠を脱げ!」それでも彼女は壊すだろう
「郷に入っては郷に従え!」おネエさんがた、君らもどう?
ジーナに憧れ、俺は目指すぜ、強く優しく生きる野郎


(Sampling: Public Enemy "Give It Up" / Additional guitar & rap: HE&SHE)


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